難聴は年齢と共に少しずつ進行していくものです。
そのため、なかなか自分では自覚症状がなく、周りの人やご家族に指摘されて気づくことが多いです。

テレビの音が大きいと家族からいわれたり、2度聞きすることが多くなった。
何か音は聞こえるけど何といっているか聴き取りにくくなった。
そんな難聴の原因には、いくつかのパターンがあります。
ここでは、難聴の種類やその障害について、正しく理解していきましょう。

耳の中の仕組み

私たちはどうやって音を聞いているのでしょう?あまり見なれない耳の中をみてみましょう。

人間の耳は、外耳・中耳・内耳の3つの部分から成り立っています。外耳から入った音は鼓膜に到達して、中耳のツチ骨、キヌタ骨、アブミ骨によって、内耳に伝えられます。音の信号は、蝸牛の有毛細胞によって電気信号に変換されて脳に送られます。このように、耳の器官が役割を果たすことで、音が聞きとることが出来るのです。耳のどこに原因があるかで難聴の種類や程度が異なってきます。

私たちは音を耳で聞いていると言いますが、実際に言葉を理解しているのは脳だということをご存知ですか?
ひとことで難聴といっても、上図の場所のどの部位が悪くなっているかによって呼び方も異なり、聞こえ方なども変わってきます。ここでは、それぞれの特徴について理解しましょう。

難聴の種類

伝音性難聴

内耳へ音を伝える役割をしている外耳と中耳で起こる障害で、中耳炎や鼓膜の損傷によって音がつたわりにくくなってくることから、伝音性難聴と呼ばれています。処置や手術などの治療で治る場合があることも特徴です。
一般的に補聴器の装用効果が期待できる難聴でもあります。

感音性難聴

年齢を重ねることによる「加齢性難聴」ともいわれています。大きな音に長時間さらされることによる「騒音性難聴」という物もあります。音を信号に変換する内耳、そこから脳へ伝える蝸牛神経(聴神経)、または脳自体の障害などが原因だと考えられおり、蝸牛にある有毛細胞の数が少なくなることで、音の精密度が悪くなってきます。そのため、音は聞こえるけど言葉がはっきりしないなど、微妙な音の聞き分けが難しくなってしまいます。

混合性難聴

「伝音性難聴」と「感音性難聴」の両方の症状がみられる難聴障害だと考えられています。両方の混ざった性質のものとなりますが、どちらの障害の比率が高いかにより、同じ混合性難聴であっても性質が異なったものとなってきます。
※詳しくは耳鼻咽喉科で診療を受けてください。

年代と聴力の関係

一般的に縦軸25dbくらいの聴力レベルからが、補聴器の使用を検討する目安と言われています。加齢と共に聴覚機能が徐々に低下する感音難聴は、30代からゆっくりと進行していきます。聴力は、高い音から聞き取りが悪くなっていくことが特徴です。 治療によって回復させることが困難なため補聴器の装用などで対応する必要があります。